W杯に思う〜「今のお気持ちは?」

ワールドカップで日本は素晴らしい戦いを見せてくれました。

多くの下馬評(私もでした…)を覆して、チームの一体感が半端ない(→使いたいだけw)今までで一番強い日本代表です。

本当に心からの賞賛を送ります。

 

残念なのは試合直後のインタビューでした。

「今のお気持ちを聞かせてください」

「どんな心境ですか?」

選手全員(!)に聞いていました。

質問されても、しばらく考え込んでしまう選手が多くみられました。

 

以前から感じていましたが、スポーツのインタビューでこの質問が出ない時はありません。

ヒーローインタビューも負けた時のインタビューも同じ質問です。

 

すると答えも決まったセリフになりがちです。

ヒーローの時だと、「嬉しいです」「絶対勝ち切るという気持ちでした」

(今やNHKでも「勝ち切る」「決めきる」は普通に使用されていますね…)。

負けた時は「悔しいです」に類するものしか出てこないのは当然。

 

それを見ていると「今のお気持ちは?」と聞く前に、ホスピタリティの技術である「今の相手の気持ちは?」を考えて質問するのが、良いインタビューではないかといつも感じてしまうのです。

 

NHK工藤アナがソチ五輪の時、失敗ジャンプに終わった高梨沙羅へのインタビューは「よく頑張りましたね」でした。

彼女の思いをくみ取り、努力を賞賛したのです。

あの時のインタビューは、視聴者の心に深く響きました。私も未だに忘れられません。

 

せめて「90分間全力で走り続けましたね」「素晴らしい戦いでした!」と、共感や賞賛の思いが込められたインタビューを聞いてみたいものです。

きっと違う答えが聞けると思います。