
ちょっと前に深夜番組を見ていたら、「北海道の無口すぎるラーメン店」が紹介されていました。
お客様が入ってきても「いらっしゃいませ」の声もない。
自ら注文を聞こうともしないし、お客さんが注文しても返事なし。
ラーメンを持っていく時も無言で丼を置く。
驚くのは、お会計の時もカウンターに小銭がおいてあり
お客がセルフで行う!
結果、店主は全くしゃべらなくてもよいシステムなんです。
実験として番組スタッフが客となり、注文しないでいると店主も負けじと無言。
結局15分経って店主が「注文聞いてないんだけど」と根負けして聞いてきました(笑)
店主に何故無言か尋ねると、理由は「疲れる。しゃべったらハッキリ言って」だそうです。
私は見ていて恥ずかしくなりました。
客商売向いてないから辞めたら?と言いたくなります。
しかし、グルメサイトを見ると意外に絶賛の声も多く、
「何回か通うと店主に悪気は無いことが分かる」といったコメントが散見されるのです。
こういうのを見る度に、美味しんぼの1巻「寿司の心」で、山岡士郎が
「日本てのはホントに不思議な国だよ。客のくせにペコペコするのがいるから、馬鹿な料理人がつけあがるんだ」
というセリフを思い出すのですが。
ただ、正直消費者が情報を取って、何に価値を見出し選択して、何を食べようが勝手だと思っています。
問題はその地域の観光協会が、色々なSNSを使ってこの番組を「是非ご覧ください!」と一生懸命宣伝していたことなんです。
観光協会の使命とは何でしょう?
地域の観光振興のためのPRをすることです。
そして、地域の観光資源と観光客をスムーズに結び付けること、の筈です
それが、「我が地域にこんな無愛想な店があります!」とPRしてどうするのですか。
なんでもかんでもTVやメディアに取り上げられるから良かった〜では、
これから先もずーっと北海道観光は「自然は一流〜サービス四流、関係者の意識は五流」という不名誉な文言が言われ続けることとなるでしょう。
*ホスピタリティについて、拙著「おもてなしを売上に変える技術」に詳しく書かれています。
ご興味をお持ちの方は、是非お読みください!!