
長年の暴飲暴食が祟り、最近は病院に通うことも多くなりました。
私が通っている、できたばかりの大型病院の話です。
初診の受付は人が行いますが、再来の受付からは機械で行います。
そして会計も機械で支払います。
その説明のため、2名の女性コンシェルジュが常駐していて、操作方法を一人一人に説明しています。
「最初に会計受付バーコードをコチラでスキャンしてください」
「お支払方法は現金ですか?カードですか?現金でしたらコチラのボタンを押してください
「明細は発行しますか?ではコチラのボタンを押してください」
「駐車券はお持ちですか?割引の印は押しましたか?まだでしたらカウンターのスタンプを押してください」
一挙手一投足をじっと見つめられながらこんなやりとりをされると、意味もなく緊張して操作を間違えそうになります。
私より年配の方には更にハードルが高いのでしょう、中々列が進みません。
通う度に、この光景は何なんだろう?と感じてしまいます。
人手不足対策?、ヒューマンエラー対策?
ディスカウントストアなら理解できます。
提供側が客に対して負担を求め、効率化を図りコスト削減を行い、相応分を価格に反映するのですから。
しかし、ホスピタリティと同じ語源を持つ筈のホスピタルが、ホスピタリティ概念と真逆のサービス化(=平準化による万人に均一な最低限の満足提供)をどんどん進めているのです。
ホスピタリティの理念を持っているのであれば、一人一人の患者に対してそれぞれの「お大事にしてください」のアプローチが必要なはずです。
それが逆に身体を病んでいる患者に対して、余分な行動を負担させるマインドが理解できないのです。
2名のコンシェルジュを常駐させるコストで、会計人員を増やす事ができるのでは?と思ってしまいます。
最近スーパーで買い物した時の話。
キャッシャーさんが会計する普通のレジが混んでいたので、セルフレジで会計したのです。
ところが、突然画面が係員を呼んでくださいの表示に変わり止まりました。
ワインが入っていたのです。
例の「20歳以上か確認してください」です。
係員が来るまで暫く待つことになり、結局普通のレジと変わらないくらいの時間がかかりました。
キャッシャーさんが居るレジでも普段お客に確認ボタンを押させるだけなのに、セルフレジになるとスタッフが確認するとは奇妙な話です。
以前ブログで書いた通り、ロボットやAIが普及した時の差別化要因はホスピタリティしかありません。
現在、このように色々な業界で散見される中途半端な自動化は、悪いカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の積み重ねにしかならないでしょう。
*写真は春になり営業が再開された、美和食堂のラーメン。
知る人ぞ知る札幌食堂系ラーメンの代表格です。毎日でも食べられる、お母さんが作る優しい味です。