
<売れなかった健康メニュー>
ホテル時代お客様のアンケートで、野菜が少ないといった声が続いて
よし、高齢化社会に対応して、これからは健康志向だ!と考え
野菜を前面に出して
「体に優しいヘルシー料理と温泉で健康づくり!」
みたいなプランを作りました。
しかし結果は全く売れず惨敗
早々にヘルシープランは止めて、皆さんおなじみの
「北海道の醍醐味カニとうに満喫プラン!」
みたいなのに戻りました
調べたら、マクドナルドも同様で、以前からアンケートにヘルシーメニューが無いという書き込みが多く
そこで、野菜がたっぷり取れる『ベジタブルチキンバーガー』、朝メニューでは『ベジタブルチキンマフィン』を投入し、
健康志向の顧客の取り込もうとしたのですが、これが大失敗したそうです。
多額の投資も水の泡になりました。
<人は情報で美味しさを感じている>
NHKでこんな実験を行っていました
20~40代の男女30人をAとBの2グループに分けて、それぞれ同じ料理を食べてもらいます
用意したのは、「ゴボウをすりおろして作ったスープ」と、
「薄切りのキュウリと大根をパスタ代わりに使ったペペロンチーノ」。
同じ料理を食べ終わった後で、2つのグループの人たちに料理の感想を聞くと、全く違う意見になったのです。
まずはAグループの感想。
「うーん、味がない、薄い。」
「一口、二口、薬的な感じでしかいただけなかったですね。」
一方、Bグループの人たちは…
「食べたときに、シャキッとしてて、後味がよかった。」
「すごくおいしくて、なんか優しい味だなって思って。もっとあったら飲みたい。」
食べた料理はまったく同じなのに一体なぜなんでしょう?
じつは「食べる前に伝えた“料理の名前”が違う」のでした。
Aグループに伝えた2品の料理名は、
「低脂肪ごぼう健康スープ」、「パスタ風ズッキーニと大根の炒めもの」
「低脂肪」「健康」「大根の炒め物」など、
ヘルシーだけど味気ない言葉が並ぶ料理名。
一方、Bグループに伝えたのは、
「鳴門鯛のダシたっぷりごぼうのポタージュ」、「モチシャキ2色麺の創作ペペロンチーノ」
「鳴門鯛のダシたっぷり」、「モチシャキ」「創作」など、
シズル感やおいしさを際立たせる言葉が入った料理名だったのです。
伝えられた料理の名前が「おいしそう」な印象を与えるものになっただけで、
食事に満足する人の割合が60%から87%に上昇するという、驚きの結果に。
私たち人間には、「自分の舌や嗅覚で直接感じるおいしさ」よりも、
「人から与えられる情報で感じるおいしさ」の方を強く感じる
という、じつに不思議な能力が備わっていることが分かったのです。
これで分かったのは、ヘルシーメニューが駄目なのではなく、
情報提供の手段=メニュー名やプラン名に問題があったということかもしれません。
そんなの当たり前だ!という方も多いでしょう
しかし、本当に美味しさが伝わるメニュー名プラン名になっていますか?
専門家やコピーライターを依頼できる大企業ならよいです
なぜなら、コピーライターは一つのコピーを決めるにも
本当にたくさんのアイデア出しをしてから、一つに絞り込むからです
高い質のものは、たくさんの量からしか生まれません
しかし、我々が決める時、そんなふうにやっていますか?
会議で一つか二つアイデア出しして、「それいいね!」で決めていませんか?
まずはたくさんのアイデア出しから始めてみましょう!
ブレストなどアイデア出しの手法はたくさんありますが
参考になるのがベストセラー「伝え方が9割」の漫画版である、コチラの本。
サプライズ法やギャップ法など、
ネーミングを考える際、たくさんのアイデア出しが容易になります。
メンバー一人一人に「水田の貴公子TAKAO」みたいな名前が付いていて、
彼らが作ったお米は
「単一農家100%・混じりっけなし・こだわりの『純米』」だそうです
言葉の強さを感じます。
食べてみたくなりますね。