
前回はドーパミンとはなにか?なぜマーケティングに必要なのか?をお伝えしました。
ザックリ言うと
お客様の脳内でドーパミンが出るようなサービスを受け商品購入をすると、その快感をまた感じたいがために
お客様は勝手に再訪し再購入してくれる(=ファン化)ようになる。
ということでしたね。
<ドーパミンをマーケティングに活かす方法>
ではファン化を促進するため具体的手法を見ていきましょう。
手法には大きくは2つあります。
「パーソナライゼーション」
と
「ゲーミフィケーション」
です。ひとつづつ見ていきます。
①パーソナライゼーション
サービスや商品をお客様個々人で最適化することです。
まさに私の提唱するホスピタリティを行うことと同意ですね。
マーケティング手法では
ONE TO ONEマーケティングがまさにパーソナライゼーションといえます
One to Oneマーケティングとは
顧客の趣味趣向や属性、行動履歴をデータ化し、
それをもとにひとりひとりに合わせてマーケティング活動を行うことです。
実際に行われている例として有名なのは、星野リゾートのCRMキッチンと言われている仕組み。
お客様と接客していて感じた気づきや情報をすべて集約してデータ化し、
全スタッフが共有することで
そのお客様に合わせてサービスを変化させるホスピタリティ戦略です。
再来されたお客様は「なぜわかったの?」と驚き=報酬予測誤差が生まれドーパミンが放出、
ファンになってしまいます。
②ゲーミフィケーション
本来はゲームでないものをゲームに変換するという意味です
目標・競争・達成・報酬といった要素をビジネスに取り入れます。
人間は進歩したい、目標を達成したいという欲望があり、
達成することでドーパミンが放出される、それを利用した手法です。
ゲーム化することによって、
目標→達成→報酬→(さらに高い)目標→達成→(更に高い)報酬…を繰り返すのです。
購入金額や来店頻度により達成される、ランクアップ制度やポイントカードはゲーミフィケーションの代表的なものです。
私もあるホテルの会員になっていますが、5回宿泊することで朝食券プレゼント&会員ランクアップ、次は10回泊まると無料宿泊券プレゼント…やはり、ついそのホテルを選んでしまいます。
ネットショッピングで、よくルーレットでクーポンが当たったりするのもゲーミフィケーションといえます。
あ、くら寿司の5皿食べたらガチャができる「びっくらポン」もそうですね!
と、ここまでは比較的知られた内容なのですが、
ここからは私独自のドーパミン放出するための技術をお伝えします。
<「報酬予測誤差」を生み出せ!>
猿を使って、こんな実験が行われました。
猿の目の前にあるランプが点灯したら
0.75秒後にジュースが出る という実験です。
するとジュースを飲んだ猿からドーパミンが放出されます。
そして、しばらくその実験を何度も繰り返していくと
ランプが点灯するだけで、ドーパミンが放出されるようになります。(学習)
ご存知パブロフの犬状態です。
しかし面白いのはここからで
更に実験を続けていくと、
ランプが点灯しても、ジュースを飲んでもドーパミンがでなくなってしまうのです!
実験結果から実はドーパミンはいいことがあったから出るというより、
報酬予測誤差に対して出ることが分かりました。
ギャンブル依存症の原因も、まさに報酬予測誤差だと考えられています。
ギャンブルが当たっても外れてもドーパミンが出てしまうので依存症になってしまうのです。
つまりギャップが大切!ということ。
では報酬予測誤差を生むためには、どうしたら良いのでしょうか?
私の提案は
①「新しい」を提供し続ける
②全てを情報発信しない
の2つがポイント
①「NEW」を提供し続ける
新しい商品・新しいサービス、それによる新しい顧客体験
を創り出すことが最重要なんです
昔、ダイソーの社長がセブン&アイの鈴木会長(当時)に、
この百均業態を続けるためにはどうしたらよいですか?
と質問した際、鈴木会長の答えは
「常にNEWを作り続けることだ」と答えました。
鈴木会長は、ドーパミンのことは知らずとも、きっと感覚として理解されていたのでしょうね。
2021年のベストセラー「スマホ脳」には
ドーパミンを利用したスマホ依存・SNS依存症の弊害が記されています。
GoogleやFacebookやインスタグラムといった企業は
行動科学や脳科学の専門家を雇っており、人間の報酬システムを研究し
如何にドーパミンを出させるかを競っています。
実はスマホでグーグルのページをめくるたびに、Facebookでいいねがつくたび
我々の脳の中ではドーパミンが放出されているのです。
それも今読んでいるページより次のページに、より興味が強いことが分かっているそうです。
だからほとんどのネット閲覧は1ページ4秒以内(私のこのHPは平均3秒でした涙)とのこと。
人は常に「もっと新しい情報はないか?」と探索し続けるのです。
「NEW」ほど、報酬予測誤差を発生させるものは無いのです。
そしてNEWを創るためには私の前回の連載を読み返して欲しいと思います。
2つ目が
②コンテンツの全てを情報発信しない!
ということです
「今の時代、とにかく情報発信だ!」といってSNSやHP、ブログなどで
プロモーションする際にすべてを発信してしまいがちです。
それも100%以上、少し「盛って」笑
現物とかけ離れた画像加工やオシャレ過ぎなキャッチコピーを掲載していませんか?
地域ブランディングのプロモーションでよく見かけます 汗
確かに情報発信は大事です。
しかし全ての情報を公開するとどうなるか?
事前の報酬予測が高くなりすぎてしまい
認知(実際に受けたサービス)が下振れしやすくなってしまうのです。
それよりも実際に購入・利用してくれた時に、
事前情報では伝えていないプラスαを提供するべきなのです
それでも利用したお客様がSNSで情報として伝えてしまいます。
それを予防する策も考えておくとよいでしょう。
例えば…
・サプライズコンテンツをいくつか用意しておいて、予測できないようにランダムに実行する
・お客様にSNSでネタバレしないようにお願いする
などなど。
今後さらに重要になるであろうドーパミンマーケティング。
ぜひチャレンジしてみてください!
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