新コロナで問われるリーダーの戦い方

新コロナウイルス リーダーシップ リーダー オフィスAZM 濱野まさひろ
早くススキノにも活気が戻りますように…。思い出が詰まった元ロビンソン百貨店もあと1ヶ月半…

4月になりました。

 

例年なら春に向かう、いつものウキウキした気分も残念ながらありません。

 

スマホの写真を見たら、飲み会も2月20日に友人と飲みに行ったのが最後です。

 

その時北海道では、5人目の新コロナ感染者が先行して発生していて、本州の人から「おいおい北海道大丈夫か?」みたいな雰囲気になっていました。

 

しかし現在全国で感染者はなんと2000名を超え4月1日現在2324名)、北海道は比較的落ち着いた状況となっています。(182名)

北海道もいつ爆発的に増大するかは分かりませんが…。

 

 

それにしてもたった1ヶ月後に、世界が日本が我々市民の生活が、

これ程激変することを予想していたでしょうか?

 

ビジネスでは私のような個人事業にも影響が出てきています。

それ以上に企業、特に中小の経営者は本当に大変でしょう。

 

長期戦が予想される中で、問われるのが組織におけるリーダーの戦い方です。

 

多摩大学大学院教授 田坂広志教授

今回の新コロナ対策委員会への提言をされているのですが

これが有事における組織のリーダーすべてが意識して実施すべき内容でしたので、

私なりの解釈を加えて、是非シェアしたいと思います。

 

ポイントは

 

①リスクマネジメントの原則を理解する

②強いリーダーシップを発揮する

③コミュニケーション能力を持つ

 

の3点です。

 

 

 

 

①リスクマネジメントの原則を理解する

 

リスクマネジメントとは

損失リスクを把握

事前に回避

事後に最小化することです。

 

そのためには

最悪の事態を想定して幾つもの対策立案することが重要になります。

考えられる対策全てを立案することで、危機発生の確率を減らすことです。

 

福島第一原子力発電所の例です。

巨大津波のリスクは分かっていたそうです。

 

しかし実際の対策立案する際

「きっと、そこまでにはならない」「恐らく大丈夫」

という議論になり、不十分なものになりました。

 

リーダーが対策を立てる際危険なのは、こういった

「自分だけは大丈夫」という根拠のない思い込み

これが「正常性バイアス」です。

 

常に最悪の事態を想定するということは、

自分にかかっているバイアスを外すことから始めるということ。

 

リーダーシップの話から離れますが

今回の新コロナに関して、我々の考え方や行動にもバイアスがかかっています。

 

「自分は掛からない」

「周りの人に感染者居ないから」(多数派同調バイアス)

 

が感染者拡大を助長しています。

 

我々も根拠のない思い込みを捨てましょう。自戒を込めて。

 

 

 

 

②強いリーダーシップを発揮する

 

強いリーダーシップとは

強い権限を持ち

不確実な状況でも決断

結果への責任を持つことです。

 

 

普段ほとんどのビジネスでも同様ですが

正解は結果が出てみないと分かりません

その中で決断をしなくてはいけません。

 

SARS騒動の時、ANAの社長は

 

「次年度までに国際線の黒字化を達成させる、

達成できなければ社長を退任する」

 

と宣言、全社が一体となって黒字化を達成したそうです。

 

リーダーとして会社の行くべき道を不退転の決意で社員に熱く語り、

同時に責任を明確化することが、

強いリーダーシップを発揮するということなのです。

 

 

 

③コミュニケーション能力を持つ

 

有事おけるコミュニケーション能力とは

安全と安心を区別して

明確に状況を説明

合理的な決断の根拠を示すことです。

 

今回、各国のトップ・各自治体トップのコミュニケーション能力を

比較できる良い機会となっています。

 

感染者数が増えていても、安心感のあるトップの言葉があれば

感染者が抑えられていても、不安しか感じないトップの発信も…。

「安全」と「安心」は違うのです。

 

根拠なく漠然と「強いリーダーシップを発揮します!」

と原稿に書いた紙を読まれても、安心どころか不安だらけになってしまいます。

 

 

逆に爆発的感染(オーバーシュート)の状況でも

リーダーシップを市民から称賛されているのは

ニューヨーク州知事のクオモ氏です。

 

アメリカ人の4人に3人が自宅待機という行き詰まった環境の中、

他州の住民までが「癒しになる」と、定例会見のストリーミングを見ているそうです。

 

ツイッター上では

「クオモ(の記者会見)で目が醒めるのは最高。

過去3年間、私たちが失ってたものを万物が与えてくれたような気がする。

困難な時におけるリーダーシップの自信に満ちた声」

(人気コメディアン、チェルシー・ハンドラーのツィート)

と称賛され。

さらにクオモ知事を大統領に!という声さえ上がっているとのこと。

 

そしてこのクオモ知事が、たった一ヶ月で行ったことは…

 

・初感染者から5日後、感染者76人で緊急事態宣言

・家賃未払いの立ち退き90日間免除

・14万床確保のためホテル・寮を利用

 

ほんとにスピード感を感じます。

 

そして称賛されているのは、これらの政策が

データに基づく根拠のあるものだからだと思います。

 

会見でこんな発言をしているのです

 

「私は医師、米連邦捜査局(FBI)、米疾病対策センター(CDC)などの専門家と毎日話している

そしてデータに従って、感染拡大の推定をしている

『どう思うか?』と聞く人がいるが、『思う』ではなく『認識している』ことを伝えている」(3月31日)

 

データで根拠のある政策をスピーディーに会見で発信しているので

市民に安心の基になる「信頼」が醸成されるのです。

 

 

 以上 

①リスクマネジメントの原則を理解する

②強いリーダーシップを発揮する

③コミュニケーション能力を持つ

 

新コロナで問われるリーダーの戦い方3点 をご紹介しましたが

ウイルスを制圧した後も、

普段から意識して習慣化したい内容ですね。

 

皆で明るい未来を信じて、この局面を乗り切っていきましょう!!