
最近クレーム対応研修がまた増えてきました。
そういえば、このブログでクレーム対応についてお伝えしたことがありませんでした(かな?)。
マニュアル通りの対応で解決できないのが、イレギュラー対応=クレーム対応です。
まさに組織のホスピタリティスキルが問われることになります。
私は、百貨店とホテルにおりましたので、20年以上毎日のようにクレーム対応を行なっていました。
業界を離れて10年以上経ちますが、いまだにいくつかのクレームは忘れていません。
百貨店の時は、家具売場に居た時が多かったです。
ある時お届けした家具から虫が湧いたというご連絡を頂きました。
すぐ返品交換させて頂く旨をお話ししましたが、他の家具にも移ったかもしれないからとご納得頂けませんでした。
そこで、害虫調査の公的機関に調べてもらいました。
すると「ヒラタキクイムシ」という種類で、生まれてきた木材以外に移ることがないということでした。
その証明書を見せる事で、やっとご納得頂きました。
(座卓からキノコがドンドンはえてくるなんてこともありました。)
次はホテル時代の話です。
それも転職したばかりの週末。
私が勤めていたのは登別の温泉ホテルでした。
満室で400名以上の方が、名湯登別の湯を楽しみにいらっしゃいます。
ところがその日、なんと市の除雪車が源泉が通ったパイプを破損してしまうのです。
一滴の温泉も出なくなりました。
青ざめた我々は、スタッフ全員で登別の他のホテルに連絡して、お客様が入浴できるよう手配をしました。
そしてバスでピストン輸送を行うことにしました。
そのことを、全てのお客様にご説明をしました。
当然、沢山のお客様からクレームを頂戴しました。
ただひたすら謝罪するしかありませんでした…。
こんな風に、無数のかなりハードなクレームを対応をしてきた中で
自分が感じたことがあります。
商品が原因のクレームは、どんなに拗れても最終的には商品を介在して解決することができます。
(返品、交換、ランクが上の商品を提供、値引き等々)
しかし、サービスに関するクレームは、そうはいきません。
さっきの温泉のケースで、お客様から言われて覚えている言葉は「時間を返してくれ」です。
何ヵ月も前から、家族の休みを合わせて、何処に行くか話し合って決めて、予約して、飛行機や電車や車で何時間もかけて移動して、やっと着いた!思ったら、温泉に入れないなんて。 時間を返してくれ!
ということです。
サービスクレーム、要するに「気持ち」や「感情」に起因する、もしくはウェイトが高いクレームは対応が難しいのです。
それを商品クレームと同じようにマニュアル的な対応をするから、二次クレームに発展するのです。
逆に言うと、単純なケアレスミスや商品から発生するクレームでも、お客様の心情を理解し気持ちを収めることを先に行う事で、早期に解決できます。
またクレームを言ってきたお客様をファンにすることができるんです!
そこでもホスピタリティの考え方を、最大限に活用することができます。
クレーム対応②に続きます。