付加価値を与えるには?〜地域資源から「価値」ある商品をつくるには⑤

カーリング ロコ・ソラーレ 北京オリンピック 銀メダル 石崎琴美 オフィスAZM 濱野まさひろ ホスピタリティ
ロコ・ソラーレの皆さん銀メダルおめでとうございます!今回最年長メダリストになったリザーブの石崎琴美さんとは、一度お仕事でご一緒したことがあるのですが、とても柔らかな温かい雰囲気だった印象を今でも思い出します。写真は権利の関係で私のカーリング姿ですw

 

 

前回は特産品に集中しがちな地域資源の要素を分解して、棚卸しすることの重要性をお伝えしました。

 

どうでしたか?地域資源は沢山出ましたか?

 

いきなり「地域の宝探しをしましょう」と聞かれるよりも

要素を細分化して考える方が、多様な資源が出てくると思います

 

それでもあまり出なかったという方へ、

更にもっと沢山「地域の資源」を探し出すためのヒントです。

 

<視点を変える>

 

 

左の図は何に見えますか?

壺に見えましたか?いや人の顔に見えたよという方もいらっしゃるかもしれません。

これは1915年頃デンマークの心理学者エドガールビンが考案した

「ルビンの壺」というだまし絵です。

 

認知心理学では、一度壺に見えた人はずっと壺にしか見えず、人の顔に見えた人は人にしか見えず、2つが同時に見えることはないとルビンは言います。

 

 

 

地域資源も同じで普段見慣れているもの、「当たり前」のものは

ずっと当たり前にしか見えず、資源には見えないのです。

 

そんな時は「視点を変えてみる」ことが重要です。

 

昼に観察して見つからなければ、夜に観察してみる。

車で見つからなければ、自転車で見る、歩いてみる。

自分たちで見つからなければ、他の地域の人と見る(これが一番見つかります)。

 

例えば有名なのは徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」

上勝町は人口が約1700人、

65歳以上の高齢者の割合が50%と人口の半分をしめ、

県下でもっとも高齢化比率が高い町です。

 

町の面積の86%が山林です。 

そこに当たり前に生えている葉っぱを、資源として活用したのです。

高齢者が生産者となり、刺し身など料理を彩る「ツマ」として販売したのです。

今では年間2億5千万円の売上を実現しました。

 

是非「視点を変える」ことを意識して資源を探してみてください

 

 

 <資源そのものは価値にならない>

ここまで資源を探すことを考えてきましたが、

実際は資源の素材だけでは価値になりづらいことがほとんどです。

 

北海道だと他の地域と資源がダブることが多く見られます。

例えば、小樽のシャコと言っても、隣の石狩でもたくさん獲れます。

海老やウニなんかは、道南の一部を除いてほぼ全道で水揚げされています。

そこで素材にプラスαするアイデアが必要になります。

 

アイデア発想法としてオススメなのは、チェックリスト法です。

これはアレックスオズボーンという人が考えた強制アイデア発想法で、今でも商品開発で使われることが多くあります。

 

テーマを、左の9つの切り口でそれぞれアイデアを出していくのです。

 

例えば自動車というテーマで思いつくまま考えてみましょう。

 

 

ほとんど実際に商品化されているものばかりです。

コウモリからヒントを得た自動車の衝突防止システムは実際にチェックリスト法の「応用」から生まれたと言われています。

電気自動車もガソリン車からの「変更」ですね。

 

それ以外にも、携帯電話にPC機能や音楽再生機能を「結合」したiPhone。

点滴を飲料水に「代用」した経口補水液OS-1

火ではなく熱に変更した加熱型タバコ

 

逆転では、消せるボールペンや、

観ている人間ではなく動物へのホスピタリティを実現することで、活き活きした行動展示が可能になった旭山動物園などがあります。

 

是非、地域資源にチェックリスト法を活用して、アイデアを沢山出してみましょう!