今こそ「資本論」

資本論 マルクス NHK 100分で名著 ホスピタリティ マネジメント オフィスAZM 濱野まさひろ
奇跡の食品とも言われる石川県名産「ふぐのこ」。猛毒を持つふぐの卵巣を糠に2年以上漬けたものです。何故無毒化されるのか、未だに不明だそうです。これも資本論に書かれた、すべての物に価値を与え商品化するという例でしょうか?これでペペロンチーノを作ってみましたが絶品でした!

NHKの100分で名著「資本論」が面白かったのです。

 

特に第三回の「イノベーションがクソどうでもいい仕事を生む」は鮮烈で、

何故ホスピタリティを実践するのが困難なのか?を教えてくれます。

 

 

 

 

キーワードは労働における

「構想」と「実行」の「分離」

だと言います。

 

 

構想とは計画を練ることであり(精神的労働)

実行は商品を作り上げること(肉体的労働)

 

 

番組では、例として土鍋職人をあげています。

 

職人はどんな土鍋にするか、耐久性やどんなデザインにしようか考えて(構想)

それを実際に手を使って土を捏ね、形成し焼いて作り上げます(実行)

 

しかし、職人仕事では資本家が望んでいるコストで、望んでいる量を作ることができません。

より安く沢山生産して市場で勝ち、利益を増やすことができないのです。

 

そこで資本家は職人の経験や勘を分析し細分化して、

労働者に分業させることにしました。

 

マニュアル化して単純作業にさせることで、

素人でも作ることが可能になり、生産性が向上します。

 

例は製造業でしたが、現代のサービス業でも全く同様なことが発生します

マニュアルさえあれば、誰でもできるし誰にでも均一的なサービスを提供できるのです。

 

 

問題は構想の機会を奪われ、分業の中でコマの一つとして働くことは、

いつまでたっても「実行」に必要なスキルも蓄積されないということです。

素人なので職人のように口答えもしません。

 

この分離はイノベーションにより先鋭化するのだそうです。

更に資本家は人間が機械のペースに合わせるように仕組み化します。

 

番組では資本主義におけるAIやロボットなどイノベーションは

労働者を重労働や複雑な仕事から開放するためではなく

労働者を効率的に支配し管理するための技術なのです

 

そんな中では仕事における何かを生み出す喜びも、達成感も無い。

だから仕事はよりつまらなくなります。

 

マルクスはこの状況を打破するためには、労働における

構想と実行の統一を目指し自律性を取り戻すべきと主張します。

 

ホスピタリティマネジメントが目指すところは

全スタッフが「目の前の顧客に対して、何を求めているのか自分で考え自分で行動すること」 を

組織で可能にすること。

 

まさに構想と実行を統一させることです。

 

これを理解せずホスピタリティを行おうとすると、

頓珍漢なマネジメントになってしまいます。

 

150年前に書かれた「資本論」、今だから理解すべきだと思いました。

 

 テキスト買ってしまいました。