部下の話を聴く

先日、ある企業の依頼で、コーチングの研修をおこないました。

 

コーチングとは「問いかけて聞くことを中心とした"双方向なコミュニケーション"を通して、相手がアイディアや選択肢に自ら気づき、自発的な行動を起こすことを促す手法」です。

 

その研修の中でこんな話をしました。

 

私が百貨店に勤めて居た時です。

 

転勤して違う店舗に異動し、紳士ブランドショップのマネージャーになりました。

 

その中の部下の一人に、茶髪でガングロ要するに当時流行っていたギャルが居たのです。

耳もピアスの穴だらけで、本人曰く、ヘソにもピアスを付けているとのことです。

 

人事でも再三注意していたらしいのですが変わることは無く、このままでは辞めて貰うしかないので私になんとかして欲しいと泣きついてきました。

 

そんな時、連続遅刻か何かのキッカケがあり(あまり覚えてないのです…)、私は面談することにしました。

 

小さな会議室を借りて、1時間半位じっくりと。

 

すると、本人から思いがけない言葉が色々と出てきました。

 

服やファッションがとても好きだという話に始まり、各ブランドに対する分析、売り方の提案、他の仲間への思い…等々。

 

私はその話をひたすらじっくりと聞きました。

 

そして面談後、あるブランドを任せてみたのです。

 

彼女は、売場のディスプレイや品揃えを積極的に変更していきました。

 

すると、みるみるうちに売上が上がっていきました。

 

結局、3年後に私のほうが先にUターン転職のため、辞めてしまい彼女は結婚するまで頑張ったのです。

 

更に数年後たまたまフェイスブックで見かけ友達になった彼女にビックリします。

 

彼女は起業していてエステサロンを経営していたのです。

 

それも2店舗も。

 

ミス・ユニバースジャパンの審査委員も行っていました。

 

当時はコーチングという概念を知りませんでした。

しかし、人はちゃんと話を聴いてあげることでこんなに変わるのか、ということを実感した実例です。

 

 *写真は、このエピソードの舞台、西武小田原(当時はロビンソン小田原)です。残念ながら3月で閉店となりました…。