
ホスピタリティの次に、比較としてのサービスの定義をみていきましょう。
研究者によって定義の捉え方が大きく異なり、曖昧なホスピタリティと違い、言葉は違えど「サービス」の定義はほぼ統一されています。
定義の幾つかをみていきましょう。
単独またはモノの販売に付帯して提供される「活動・便益・満足」(マーケティング協会)
経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである (ウィキペディア)
サービスとは、販売のために行われる活動や提供されるベネフィット(便益)のことで、
本質的に無形であり、長期的に所有されることはない。(コトラー)
「サービスとは多少なりとも無形の一連の活動から構成されるプロセスである。
必ずというわけではないが、顧客とサービス提供者や、
物的な資源およびモノやサービス提供システムとの相互作用によって発生し、
顧客の抱える問題の解決として提供される」Gronroos(1990
まとめると…
サービスは顧客ニーズに対応した活動を含む「プロセス」
顧客にベネフィット(便益)を与える
と言ったところでしょうか?
これらを踏まえて、一般的の言われている
サービスの特性は
1.無形性:形が無い、プロセスである
→そのため消費者には、事前に品質が分かりづらい
2.不可分性:プロセスだから生産と消費が切り離せない
3.同時性同所性→生産されつつ消費される
4.協働の必要性:主客協働が必要
5.変動性:品質が変動しやすい
この5つの特性から、
客と協働対応が必要なので、客の対応次第でも変質してしまう
生産と消費が同時に起こるため、常に同じ品質で提供することが極めて難しい
という問題点が浮かび上がってきたのです。
そこで生まれたのが顧客に提供するサービスをパッケージ化するという発想でした。
そのパッケージをお迎えからお見送りまでの行動を文書化しました
それがマニュアルなのです。
マニュアルは品質の安定を達成しました
またサービスのパッケージメニューを増やすことで
多様性をもつ顧客のニーズにたいして
安定的かつ多様なサービスの提供が可能に なったのです。
サービスをパッケージ化し、マニュアル通り行動することで
大きく2つのメリットが生まれました。
均質化=品質が均一に提供できます。
高効率=速度が早くなり、大量の顧客に提供が可能になります。
そして顧客に認知されることで、
顧客の協働対応も変化していきます。
例えば、我々は今やコンビニでお酒を買うとき言われなくても「承認」ボタンを押してしまいます
レジに並ぶとき床のシールを見て、フォーク型に並んだり、並列型に並んだり行動を変えます
教えられた訳でもないのに!
こうしたメリットにより、サービスのマニュアル化が急速に進んでいったのです。
メリットばかりのように感じるサービスのパッケージ化でしたが、しかし…。
(次回に続きます)