昨日は北大大学院の観光学院でインタビューを受けてきました。
観光や観光を通じたまちづくりで、どんな人材が必要かを教えてほしいとのこと
そこでお答えした、観光まちづくりに対し、普段感じていることを少し書きます。
一番強く問題だなと感じるのは、観光で「儲ける」という発想をしていない人が多いこと。
あるまちづくりの現場で実際見たケース。
地域の食材を使ったお弁当を開発しようという話になり、住民から担当の外部コンサルに質問が有りました。「原価率はどれ位にしたら良いですか?」
そのコンサルの答え「売価イコールで原価は気にしなくていいですよ、何なら予算も付けられそうですし」と言ったのです。
ビックリしてしまいました。
そのコンサルは儲けることより、補助金をどうやって貰うことしか考えていなかったのです。
観光は人口大減少時代に対応するべく、観光客を増やしお金を落としてもらう財政政策です。
しかし、自治体も含めて現状は、観光客数を何人増やすというところを目標にしています。
人数を目標にしてしまうと、LCCをドンドン飛ばして安い団体ツアーを沢山呼んで…という発想に陥りがちです。
しかし、実際に地元に落ちるお金は雀の涙程度。
これでは、地域住民からも只混雑するだけで、何もメリットが無いので観光客へのホスピタリティマインドが醸成されることは無いでしょう。
では儲けるには?
儲ける為の基本はマーケティングです。
その地域でしか体験できない「価値」あるコンテンツを創り、売れる状態にする必要があります。
しかし、こちらも良く見かけるのは、地域のお宝探しをして捏ねくり回したあげく、誰が買うの?という商品にしてしまうプロダクト・アウトの失敗例
若しくは外部のコンサルがやってきて、今のマーケットのトレンドは…とか、あの地域での成功例は…と言って何処かで見たことのあるようなコンテンツを創るマーケットインで失敗する例。
どちらかが多いのでは無いでしょうか?
本来なら自分たちのビジョン・資源や強みと言ったプロダクト・アウトの視点と、外部の顧客ニーズや競合の分析などマーケットインの視点を、ぶつけた時に新しい価値の発見がある筈なのです。
しかし、残念ながらそう言った複合的視点での観光まちづくりを殆ど見たことがありません。
具体的に言うと、ファシリテーション能力も対局にあるコンサルタント能力も、そしてその両方をマネジメントする能力も必要だと思うのです。
大変難しいことだと思いますが、自分自身も複合的視点を意識して、活動していきたいと思っています。

札幌市西区にある東方明珠飯店の鳥唐揚げ定食です。