ユナイテッド航空の事件とホスピタリティ

先日起きたユナイテッド航空の引きずり下ろし事件

 

私はホテルと同様に航空会社は、(LCCを除き)ホスピタリティの最高レベルのものを提供していると勝手に思い込んでいたので最初に動画を見た時、目を疑いました 。

 

沢山言いたい事はありますが、2点だけ感じたことを。

 

一つ目は、やはり「全ての企業の活動は、組織の使命やビジョンが表現されている」のだろうなということ。

つまりドラッカー言うところの「自分たちの組織は何者か?」を定義しているかどうかだと思うのです。

恐らくユナイテッド航空は見たそのまま「運輸業」なのでしょう。

だから人間も貨物と変わらない扱いをされるのです。言うこと聞かないから力で排除したのだと思います。

故に、CEOも最初のコメントが謝罪ではなく、客が反抗的な態度だったから仕方ないと言ってしまうのです。

 

ホスピタリティ企業として有名な長野県の中央タクシーは、「我々は運輸業ではなく、サービス業である」と定義してから、運転手の方へホスピタリティの意識改革が始まりました。

大切なのは組織の目的や理想の姿を正しく設定しているか?設定しているなら正しくスタッフに伝えているか?なのだと思うのです。

 

因みにユナイテッド航空の使命を調べたら「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と統合)」だそうです。下記HPより抜粋

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ユナイテッド航空ではダイバーシティを、能力、年齢、民族性、性別認識、人種、性的指向、退役軍人の地位など、個人に特有の様々な違いと定義しています。インクルージョンとは、このような違いを活かして真のコミュニティを形成し、ビジネス機会を広げる方法です。

ユナイテッドでは、多様性をコンプライアンスよりはるかに重視し、ダイバーシティ&インクルージョンを中核となるリーダーシップ能力と同様に扱っています。一人一人全員が当然のように受け入れられ、評価され、各従業員が心地よく業務を遂行できる文化をリーダーが形成することを目標としています。ユナイテッドの使命は、尊厳と敬意を重んじる受容性の高い職場環境を形成し、従業員一人一人が世界市場で活躍してユナイテッドの業績に貢献できるようにすることです。

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コンプライアンスより多様性を重視?!益々よく分かりません…。

 

 二つ目は今回の事件に対して、肯定的な意見が思った以上に多くみられることです。

 

勿論、最初は否定的な意見が圧倒的でしたが、時間が経つにつれ肯定的意見が増えてきました。

曰く「乗客にも問題があった」「暴力自体を行ったのはシカゴ市航空局の職員でユナイテッドは関係ない」等々です。

TVでは国際政治学者とやらが、アメリカだと法的にも問題が無いし、普通に良くあることと発言していました。

本当に?!

確かにオーバーブックによる年間4万人が強制的に便変更しているらしいです。

しかし、では何故こんなに世界的ニュースになっているの?

 

それよりも理由があれば暴力が認められる、という風潮の方が非常に怖いと思います。

 

そんな事を書いていたら、我が青春時代のヒーロー「LOUDNESS」がアメリカで入国拒否されたとのニュースが入ってきました…。

 

 世界はどんどんホスピタリティから乖離したきな臭い空気になってきています…。

 先日ホスピタリティ研修を行った中札内村での一コマ。

道の駅で食べた「中札内村産十勝野ポークソテー」です。

脂身が甘くて柔らかい極上のお肉でした。受講されたスタッフの皆さんも、流石道内でも有数の人気道の駅だけあって、ホスピタリティの真髄を良く理解されており、大変な盛り上がりとなりました!ありがとうございました♪