観光ビジョンから「おもてなし」が消えた

先日、観光庁から発表された新しい観光ビジョンから「おもてなし」の文言が消えました。

「おもてなし」という抽象的な言葉が引き起こす、勘違いな行為の弊害は、何度かこのブログでも警鐘を鳴らしてきたつもりです。

「おもてなし」と「サービス」と「ホスピタリティ」、それぞれの言葉が定義されないまま、政策として発信されていたことが混乱を招きました。

その証拠に、各地各業種のセミナーで、「おもてなし」とはなんですか?「ホスピタリティ」とはどういう意味ですか?と訊いても、ほとんどの人が答えられません。

人間答えられないことは、正しい行動に移せないのです。

それに気づいて、政策からこの言葉が消えたのは正しいとは思います。今迄、あれだけ日本観光の重要な要素、と言っていたにも関わらずですが(笑)

 

只、私が怖いのは、国の政策から「おもてなし」の文言が無くなったからと、全国各地で上がっていたホスピタリティ向上の気運が止まってしまうことです。

 

確かに観光の専門家が云うように、おもてなしはコンテンツでは無いので、それ自体がインバウンドを誘引する要素にはならないでしょう。

 

しかし、問題は(以前も書きましたが)、ホスピタリティどころか、一般的な接遇すら出来ない観光地(特に北海道)の観光施設が沢山あり、現在においても一向に改善されていないこと。

もう一つは、インバウンドが約2千万人に急増と言っても、国内観光客(日帰り約3億宿泊約3億、計約6億人)のウェイトの方が、まだまだ高いということです。

 日本人観光客にとっては、地域のホスピタリティの有無は、生涯顧客化への大きなファクターになります。

 

日本人に対してさえ出来ないのに、どうしてインバウンドにだけ行うことが出来るでしょうか?

是非、関係者の方は、国の政策に文言が無くなったからホスピタリティ向上活動を止めるのではなく、交流人口を増やすためのインフラ整備だと思って、継続して頂きたいと思います。

GW後半は岩内の温泉宿に宿泊し、翌日は寿都のかき小屋で寿牡蠣を食べました。

北海道では珍しい、今時期しか食べられない、生しらす丼も美味しかったです。

神奈川県人だった時に、江ノ島で食べていたのはカタクチイワシで、ここのは小女子のもだそうです。甘みが強かったです。