札幌生まれ札幌育ちの私は、円山動物園が大好きです。
子供の時から、数えきれない程楽しませて頂き、沢山の思い出の場所でもあります。
50代になった今でも、毎年年間パスポートを購入し、散歩コースとしても利用させて貰ってます。
近年旭山動物園と同じく、所謂「行動展示」に変わってからの円山動物園は更に魅力度が大幅にアップし、来園者も増加しています。
只、ここ数年「?」と思うことが増えたのも事実です。
一番疑問を感じるのは、入園料無料の日がやたらと増えたことです。
お正月の三が日、雪まつり期間、3月一ヶ月(大学生に至るまで)学生無料と入園料無料がやたらと多いのです。
それも人出の多い時に無料なのです。
昨年は、学生無料が7月から8月末までの2ヶ月開催していて、それも年間パスポートも半額で買えるという大盤振る舞いでした。(キャッチコピーは「学生タダ」と云う、某携帯電話会社と似た感じのものでした→今流行りのパ○リですね)
旭山動物園で無料の日と言うのはあまり聞いたことがありません。
検索しても出てきません。
大体入園料自体、円山動物園は600円、旭山動物園は820円と円山動物園の方が安いのです。
私は、市の施設において、歳入を考えないで事業を行うことは、政策としておかしいと思うのです。
そこへ、ここ最近の動物の連続急死です。特にマレーグマの同居死は衝撃的でした。
昨日の北海道新聞を見て、少し理由が見えてきました。
円山動物園の掲げる目標です。
年間来園者数100万人が目標だそうです。
昨年で87万人まで増加して来ているとのことでした。
何故、入園料無料の日が多かったのか、原因の一端が垣間見えました。
その上、正職員の飼育員は10年前と同じ20人のままだそうです。
現在の動物数が合計175種901点、一人で相当数の動物を担当することになっています。
更に、園長と獣医師は専従では無く、市職員として人事異動があるそうです。
経験と知識が蓄積できないのです。
旭山動物園長の坂東さんは「数字が目標になると、動物が目標達成の道具に変わってしまう怖さがある」とコメントしています。
私もその通りだと思います。
数字が目標になると、どんな手段でも良いから目標を達成しようということになりがちです。
一番大事な「何のための事業なのか?」という「目的」が見えなくなります。
組織において、数値目標達成には効率やスピーディーさが求められます。
しかし、効率やスピード感ばかりが求められると、ホスピタリティが無くなりサービス化します。
何故なら、(効率的な)マニュアル通り行うことばかり考え、変化対応が出来なくなるからです。
一連の問題は、恐らく動物に対するホスピタリティが無くなってきていたからでは無いのでしょうか?
これは観光政策にも通じます。
以前にもこのブログで書きましたが、目標を外国人観光客の入り込み数にすると、円山動物園と同じことが発生することでしょう。
いや、既に観光バスの不足や駐車の問題、空港の受け入れ態勢、ホテル不足と価格高騰など、幾つも顕在化してきています。
「目標」と「ホスピタリティ」は密接な関係なのです。
早急に目標の修正(そして目的の再確認)をお願いしたいと思います。

一昨日「夜の動物園」の時のレッサーパンダです。
ガラスに張り付いたりんごを、立って取る姿は本当に可愛らしい♪