「価格を上げる」と云う事を考える

今回のテーマは「デフレを脱却しよう!」と云う事ではありません。

先日、ある温泉施設へ伺うと、「日帰り入浴料通常500円が、アンケートに答えると100円!」とポスターが貼っていました。
期間はナント1ヶ月のロングランです。収入が5分の1になるのです。不可思議な施策です。

また、殆ど通常価格の半額近くで買うことが出来る共同購入のクーポンサイト(グルーポン、ポンパレ)は、おせち事件以来サイトの数こそ淘汰されました。
しかし、売上は2011年の337億円から2013年の396億円と3年連続で増加増大しています。
その中で最近は観光系(特に温泉施設、ホテル)が目立つようになりました。

やはり、安さを求めるニーズは必ず有り、またそのニーズを追いかける企業も多いということです。

ここで、今迄小売業、サービス業を25年間努めてきた私の経験を言わせて頂きます
価格を下げる事は、「百害あって一利なし」です。
勿論、業態として安く出来る「仕組み」を構築している業種(ユニクロやニトリ)は除きますよ。

価格を下げると何が起きるか・・・

・価格を上げることが難しくなります

・利益率が下がります

・客質が悪くなります

・売り方を考えなくなります

価格を一度下げると値上げは本当に難しくなります。
人は価格に対してすぐ麻痺します。
更に値下げしないと、振り向いてくれなくなります。
価格の低い商品は間違い無くクレームが多くなります。
その対応に時間を取られ、お客様への対応レベルが低下します。
何よりも、利益を上げることが難しくなるので、経営体質が弱まります。
悪循環に陥るのです。

逆に価格を上げようとすると、・・・

・「何をしなくてはいけないのか」を必死に考えます

・「お客様の求めている価値とは何か」に思いを馳せることになります。

・客質が良くなり、クレーム対応等で時間を取られることも減ります


この時代、只値上げだけをするということは不可能です。
それに見合う付加価値を提供するには、顧客が求めている本質的な価値を徹底的に考えることです。
すると、商売で一番大事な「NEW」~新しさが出てきます。
結果、最終的に値上げをしないとしても、自分達がやるべきことが明確になるのです。

観光業において、その一つが「ホスピタリティ」だと私は考えます。
資本力の有る大手だけに高級路線のメリットを享受させることは無いのです。

 

 

昨日は「マッサン」の舞台、余市に在る「鶴亀温泉」に入浴して来ました。
写真はそこの名物「鶴亀丼」。甘エビで鶴をアワビで亀を表しています(笑)

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