ホスピタリティの真髄

先日のNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀」は、ホスピタリティを志す者には金言の塊みたいな回でした。

主人公はグランドハイアット東京のコンシェルジュ阿部佳さんです。
カリスマ・コンシェルジュとも言われる阿部さんが、「ホスピタリティとはこうあるべし」を体現されていました。
それは「心からのサービス」などと言ったマインドに頼ったものではなく、普段私が提唱している「スキル」として言語化されたものでした。

自分の感動ポイントを幾つか紹介します。

①コンシェルジュはお客様の要望に「NO」を言わずに、それに代わる代替案を出すのが当たり前。
大事なのは、その時如何に相手の言葉の向こう側の「心」を読むか
その為には、どれだけ柔軟に相手に近づくかが、仕事の8割9割になる。
そして相手に近づくため、大事なものが2つ。
一点目は「質問」
二者択一の質問だけでは無く、相手が気軽に話しを出しやすい「オープン・クエスチョン」を上手く使うことで、話しやすく沢山語って貰うことが必要。
二点目に大事なのは「表情」
会話中の相手の表情の変化から、言葉に出ない希望を探る。

言葉より非言語の方が、本心が現れます。それを見逃さないことは普段のコミュニケーションでも大事なことですね。

②「私達は普通のサービスをしようとしていない。
お客様にとって最善のもの、一番いいものに近づくためを行う。
<やるべきこと>だけではなく<やったほうがいいこと>全てをやる

これそ私がいつも言っている「ホスピタリティとサービスの違い」です。
まさにホスピタリティの定義に沿った「技術」なのです。


「相手に向き合うのでは無い、同じ方向を見ること」

相手の注文に応えることばかり考えてはいけない、相手に寄り添い一緒に楽しむこと。そうすることで、お客様が本当に望んでいることが、見えるようになるのです。

④無難に仕事を「こなす」タイプの部下の育成にはこんな指導をします。
「攻めのサービス」をしなさい!
もっと、何か無いか?ワクワクさせて送り出せないか?徹底的に考えなさい。
会話を好まない客、急いでいる客 お客様には色々居る。
だからと言って、客に失礼が無いようにとだけ考えると、つい無難な対応になってしまう。
それだと確かに問題は起こらない。しかしそれではプロでは無い。
小手先で「上手」になっただけではダメ。それでは提供する自分も面白く無い。

そうなんです。
「こう要望されたら、こう応えよう」という既定路線の応対は、その時点で「ホスピタリティ」では無く「サービス」の範疇になるのです。
自分にとっては「仕事」から「作業」に変化してしまいます。

人の気持ちを読み取ろう感じ取ろうと言う思い。
そして、それをどう叶えるか
この人が喜んだらそれが単純に自分が嬉しい。
それがまず最初にあるはず。
それを持続できるかということ。


凄い言葉です。
ホスピタリティの全てを凝縮して表したような言葉です。


しかし、これを観て「これは超高級ホテルのコンシェルジュだから出来るんでしょう。我々のような中小の旅館には無理だよ!」と云う声が聞こえてきそうです。

果たしてそうでしょうか?

今迄述べた様なスキルが身について無ければ、超一流ホテルのコンシェルジュでも、只のインフォメーション(案内)に成り下がります。(失礼ながら、出てきた部下は、まだそれに近い印象でした)
確かにホスピタリティは高度なスキルです。その実現の為にはトレーニングと経験が必要です。
だからこそ、競合と差別化出来るのです。そして、そのスキルは、必ず誰でも磨くことが出来るのです。
怯むことは全く有りません。
問題は勇気を持って始めるのか、始めないのか。それだけです。
勇気を持って、始めましょう!
私も、そのお手伝いをさせて頂きます。

たまに行く天ぷら屋さんです。値段は安くて、ボリュームが有ります。しかし、正直味はイマイチなのです(笑)
所が、ここのご主人の応対が面白くて、人柄の良さが強烈に出ているのです。
その為か、いつも混んでいます。恐らく、殆どのお客様がこのご主人見たさに来ていると思われます。

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