
長野県に中央タクシーという会社が有ります。
ご存知の方も多いと思います。
私は、2ヶ月程前にTV番組の「カンブリア宮殿」で紹介されているのを見て、初めて知り衝撃を受けました。
それも、ホスピタリティを実践している企業の中で、伊那食品工業と同等、若しくはそれ以上の衝撃を受けました。
先ずは2つのエピソードを。
①親戚の結婚式出席のために東京から長野へ来た親子、ところが長野は想像以上に寒かったのです。
母は寒がる子供の為に靴下を買おうとしました。
そこで中央タクシーの運転手に式場へ行く前に、子供服の店迄行って貰います。
しかし店が開店していなかったので、仕方なくそのまま式場へ行きました。
ところが、式が始まる寸前に、運転手は子供の靴下を手に持って現れたのです。
運転手は再度子供服店の開店を待って、靴下を買って来たのでした。それもサイズが合わないと困るので2サイズを持って。
感激した親子は、今だにその靴下を大切にしていて、卒園式などの大事な日に履くそうです。
②中央タクシーに乗っていた観光客夫婦。
しかし、夫の方が体調が悪くなり車内で吐いてしまうのです。
その為、夫婦は汚れたセーターを捨てて貰う様、運転手に渡しました。
所が、翌朝ホテルをチェックアウトしようとすると、フロントスタッフから「○○様、お荷物をお預かりしています」と云うのです。
その荷物の中身を見ると、昨日のセーターが綺麗になって入っていました。
運転手が洗濯をして届けたのです。
感動した夫婦は、後日運転手に御礼の手紙を送りました。
しかし、運転手は「普通の事をしただけ」と言います。
このような組織風土を作るにはどうしたら良いのでしょう?
ポイントが3つあると思いました。
1つ目に「マニュアルが無い」ことです。
厳密に言うと3つだけ有ります。(基本動作と呼んでいます)
「ドアサービス」 「自己紹介」「傘サービス」です。
あとは、乗務員さん自らの意思で行っているそうです。
以前当ブログでお伝えしたように(8月10日マニュアルとホスピタリティの間にあるもの④)、「サービス」レベルの段階で必要なマニュアルも、「ホスピタリティ」レベルになると、お客様視点での思考を妨げるものになります。
繰り返しますが、「サービス」を提供すると言う事は、その組織で決められていることのみを提供することを指します。
逆に云うと、お客様からのそれ以外の要望は断らなくてはいけません。
そう考えると、お客様の多種多用な要望に対して、受け入れるよりお断りするケースの方が圧倒的に多い筈です。
それを「マニュアルには書かれていないから」と断らず親身に受け止め、
お客様にとって一番良いと思われることを出来る最大限の範囲で行う。
これが「ホスピタリティ」なんです。
只それは当然、「サービス」レベルをクリアして出来ることです。
何故、出来たのか?
恐らく、新規運転手の採用をタクシー会社「未経験者のみ」にしていることと、無関係では無いと思います。
勿論、それだけが要因では無いと思います。
独自の研修等も当然あると思います。
しかし、社長曰く、「タクシー業界の経験が長いほど、業界の垢が染みついて教育効果があがらない」からとのことです。
当然、即戦力では無いので、教育に時間が掛かります。
社長もこの組織風土にするのに20年掛かったと云います。
*写真は今日のMJに載っていた、札幌長栄交通の「痛タク」。
ツイッターで情報発信することで、全国のアニメファンが訪れ乗車しているとのことです。
(次回に続きます)
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