
初めて会う方に温泉巡りが趣味だと云うと、必ず「お勧めの温泉は何処ですか?」と聞かれます。
そんな時、東北地方で必ずお勧めするのが「会津東山温泉 向瀧」です。
私が宿泊したのは9年前に一回だけですが、今でもたまに思い出しては「また、行きたいなー」と思います。
それくらいお気に入りなのです。
ここは明治6年創業、有形文化財のお宿です。
建物の中に入った途端に、昔へタイムスリップしたような感覚になります。
料理は山の中なので、エビ・カニ・マグロは出てきません。徹底的に会津に拘った料理が出てきます。特に鯉の甘煮は絶品です。
目玉の温泉は、昔「きつね湯」と呼ばれ、湯船には白御影石を使用、天井は湯気を吸い込み水滴が落ちないヒル石を使用しています。会津藩士の指定保養所とされていた凄いお湯です。
そして、ここの仲居さんの接遇がいいんです。
私の部屋に付いた仲居さんは若い方でした。素朴な雰囲気で、言葉に訛りもあります。
しかし、とても親切に対応してくれました。
料理も一品出しする毎に、一生懸命説明してくれます。
そして最後に必ず「とても美味しいので、沢山召し上がってください」と言ってくれるのです。
これって結構大切だと思います。
百貨店でも、沢山売る販売員さんを見ていると、「この商品は良いですよ!」とシンプルにちゃんと伝えることが出来る人です。
だから、入社したばかりのスタッフが、「この商品は良いですよ!」トークだけで、いきなり沢山売ったりします。逆に慣れてくると、色んな事を沢山伝えすぎて売れなくなるケースも良くあります。
向瀧にマニュアルはありません。
星野リゾート同様、絶えまない改善改革でここまで「おもてなし」を磨き上げたのです。
全社員参加による365日行われる朝礼(旅館でこれを行うことがどれだけ大変か!)、
プリセプターシップ制度、失敗を報告しフィードバックを受ける「アッとハッと制度」等自発的に社員が行動できる仕組み作りを行ったのです。
ホスピタリティを醸成させるには、やはり長期に渡る社員の育成しか無いのです。
そんな事を思い出しながら今朝テレビを見ていたら、滝川クリステルの言葉を引用して「シリーズ日本のお・も・て・な・し、驚異のサービス精神!」というのが放映されていました。
その中に出てきたホテルは、インバウンド(外国人観光客)の為に、国際電話無料、飲物無料、ラーメン無料、綿飴無料、文化体験無料・・・。
そして、リッツカールトンの様に、従業員はお客様の為と思ったら、20万まで決済無しでお金を使えるとのことでした。
インタビューに出たスタッフ「この綿飴機もそれで上司に相談無く買いました」と自慢気に語っておりました。
だから、「サービス=おもてなし」では無いのですよ!!「サービス=無料にすること」では無いのですよ!!と心の中で叫びながら朝カレーを食べたのでした。
*写真は夜の向瀧。
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